ジャンプの種類


 フィギュアスケートを見始めたばかりの人には見分けるのが難しい、6種類のジャンプを解説していきます。

 フィギュアスケートのジャンプは全部で6種類あり、それぞれ踏み切り方が違います。難しく、点数が高い順番に、アクセル・ルッツ・フリップ・ループ・サルコウ・トゥループとなり、これら の前に回転数(シングル・ダブル・トリプル・クワドラプル)をつけたものがジャンプの名称になります。


 例えば、3回転のフリップジャンプであれば、”トリプルフリップ”、2回転のアクセルジャンプであれば”ダブルアクセル”となります。4回転ジャンプの場合はクアドラプルとなりますが、メディアでは主に4回転のトゥループジャンプなどと呼ばれることも多いです。

 これらを見分けるのは最初は難しいですが、見るポイントを押さえれば比較的簡単に見分けることが出来るようになります。

 6種類のジャンプは、踏み切るときにトゥ(ブレードの先端にあるギザギザ)を使用するか否かで大きく二つに分類することが出来ます。
トゥを使わずエッジ(ブレードの溝)で踏み切るものを「エッジジャンプ」、トゥを使って踏み切るものを「トゥジャンプ」といいます。
アクセル・ループ・サルコウがエッジジャンプになり、ルッツ・フリップ・トゥループがトゥジャンプとなります。

 それでは、見分け方が簡単なエッジジャンプから見ていくことにします。なお、ここでの解説は、ジャンプの回転の方向が反時計回りの選手を前提に行っていきます。(回転が時計回りの選手の場合は、左右を逆に考えていただければ大丈夫です。)

アクセル(Axel)

    
 6種類のジャンプの中で一番簡単に見分けることが出来るのが、アクセルジャンプです。浅田真央選手の代名詞ともいえるトリプルアクセルは誰しもが一度は耳にしたことがあるものだと思います。

 アクセルジャンプの特徴は”前向きで踏み切ること”にあります。逆にいえば、アクセルジャンプ以外のジャンプは全て後ろ向きの姿勢で踏み切るのです。
踏み切るエッジは左足のフォアアウトエッジとなります。

 なお、全てのジャンプの着氷は、後ろ向きでのものになるため、アクセルジャンプは、他のジャンプよりも半回転多く回る必要があります。トリプルアクセルが3回転半ジャンプと呼ばれているのもこの理由です。
 また練習用のジャンプとして、半回転のジャンプであるスリージャンプ(ワルツジャンプ)が存在します。

ループ(Loop)

 
 ループジャンプの特徴は、跳ぶ直前に、イスに腰掛けたような恰好になることです。踏み切るエッジは右足のバックアウトエッジとなります。

サルコウ(Salcow)

 
 サルコウジャンプの特徴は、踏み切る前に足がハの字になることです。踏み切るエッジは左足のバックインエッジとなります。安藤美姫選手が以前4回転ジャンプを成功させたのもこのサルコウジャンプとなります。

トゥループ(ToeLoop)

 
 ここから先は、トゥジャンプになります。トゥジャンプの中でも一番見分けやすいのが、このトゥループジャンプになります。フリップ、ルッツとの違いは、トゥを着く足が左足であるということです。
ループと同様に右足のバックアウトエッジに乗り、それに加えて、左足のトゥを着くことで踏み切ります。
 6種類の中で一番簡単なジャンプとされており、4回転ジャンプの多くはこのトゥループジャンプになります。

フリップ(Flip)・ルッツ(Lutz)

 
 ジャンプの見分け方において、一番難しいのが、このフリップとルッツの違いです。ここが見分けられるようになれば、ジャンプの見分け方のマスターと言えます。
 トゥループとの違いは、トゥを着く足が右足であるという点です。ここまではフリップもルッツも変わりません。問題なのは、左足の踏み切るエッジになります。フリップの場合これがバックインサイド、ルッツの場合はこれがバックアウトサイドになります。
 この2つは見分けるのも難しいですが、選手が跳び分けるのも非常に難しいジャンプになっています。男子選手はルッツがフリップになってしまう(通称リップ)選手が多い傾向にあり、女子選手はルッツがフリップ(通称フルッツ)になってしまう選手が多いです。
 上位に食い込むためには、この2つを明確に跳び分けられる必要があります。

参考動画


フィギュアスケート美のテクニック(新書館)より

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